PHPの高速化

APC(Alternative PHP Cache) †

• APCの効果
  『XOOPSは重かった…』ということで、PHPを高速化すべくAPC (Alternative PHP Cache) を導入してみました。
  
  PHPはスクリプトを実行する際、毎回内部でコンパイル作業を行っています。
  通常ならば、このコンパイル済みコードはスクリプトの実行終了と同時に捨てられるのですが、
  APCには、これらコンパイル済みコードを再利用するためにキャッシュする機能があります。
  つまり、APCを使用すると、ページがキャッシュにヒットする限り、コンパイル作業は
  スキップされるので、PHPが高速化されたように感じます。
  
  さて！どれくら高速化するのでしょうか？
  PukiWikiを使って、APCがONの時とOFFの時の実行時間を計測し、APCの効果を定量的に評価してみました。
  ( PukiWikのページ最終行には、表示にかかった時間が表示されます。実行時間はそれを用いました。)
  
  
  

  APC	OFF(秒)	ON(秒)	速度比
  １回目	0.750	0.770	1.03
  ２回目	0.730	0.530	0.72
  ３回目	0.750	0.540
  ４回目	0.750	0.540

  
  
  評価結果ですが、
  １度目はキャッシングのオーバーヘッドでしょうか？ わずかにAPC=ONのケースが遅くなっています。
  しかし、２度目以降はAPC=ONのキャッシュ効果がはっきり現れ、実行速度が向上しています。
  (体感的にはもっと高速化しているよう感じます。）
  
  『APCの効果は劇的だった……』と結論づいたのでインストールを開始しましょう。 （順序が逆ですが。。。）
  
  
• APCのインストール
  http://pear.php.net/package/APC/ からAPC-2.0.3.tgzを取ってきて作業用ディレクトリに展開します。
  そして次のようにコンパイルしてインストールします。
  (APC-2.0.4が出てるようですが未検証)
  

  landisk:~# mkdir /home/src/apc
  landisk:~# cd /home/src/apc
  landisk:/home/src/apc# tar vxfz 何処かの/APC-2.0.3.tgz
  landisk:/home/src/apc# cd APC-2.0.3
  landisk:/home/src/apc/APC-2.0.3# phpize
  Configuring for:
    PHP Api Version:   20020918
    Zend Module Api No:   20020429
    Zend Extension Api No:   20021010
  landisk:/home/src/apc/APC-2.0.3# ./configure --enable-apc --enable-mmap
  landisk:/home/src/apc/APC-2.0.3# make
  landisk:/home/src/apc/APC-2.0.3# make install
  

  次にPHPの設定ファイルにAPCのモジュールを登録します。 "/usr/local/lib/php.ini"を次のように編集します。
  

  443行目付近
  ; Directory in which the loadable extensions (modules) reside.
  extension_dir = "/usr/local/lib/php/extensions
  extension=no-debug-non-zts-20020429/apc.so
  apc.mmap_file_mask=/tmp/apc.XXXXXX
  

  apacheを再起動します。
  

  landisk:/home/src/apc/APC-2.0.3# apachectl restart

  phpの動作確認の節で作成したphpinfo.phpをブラウザからアクセスしてください。
  次のようなAPCの設定項目が表示されればOKです。
  phpMyAdminやXOOPSなど、PHPで書かれた重めアプリケーションを実行すると、
  速度の向上が体感できると思います。
  

MMCache †

• MMCacheの効果
  MMCacheとは、前述したAPCと同様の機能を実現するためのモジュールです。
  試しに使用してみたところ、MMCacheのほうがAPCよりも性能が良かったので、
  MMCacheに乗り換えることにしました。
  
  
  

  cacheモジュール	なし		APC		MMCache
  	(秒)	速度比	(秒)	速度比	(秒)	速度比
  １回目	0.750	1.00	0.770	1.03	0.900	1.2
  ２回目	0.730		0.530	0.72	0.480	0.65
  ３回目	0.750		0.540		0.480
  ４回目	0.750		0.540		0.480

  
  
  
• MMCacheのインストール
  http://turck-mmcache.sourceforge.net/index_old.html から
  turck-mmcache-2.4.6.tar.gz を取ってきて作業用ディレクトリに展開します。
  そして次のようにコンパイルしてインストールします。
  

  landisk:~# mkdir /home/src/mmcache
  landisk:~# cd /home/src/mmcache
  landisk:/home/src/mmcache# tar vxfz 何処かの/turck-mmcache-2.4.6.tar.gz 
  landisk:/home/src/mmcache# cd turck-mmcache-2.4.6
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# phpize
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# ./configure --enable-mmcache=shared
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# make
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# make install
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# mkdir /tmp/mmcache
  landisk:/home/src/mmcache/turck-mmcache-2.4.6# chmod 0777 /tmp/mmcache
  

  次にPHPの設定ファイルにMMCacheのモジュールを登録します。
  "/usr/local/lib/php.ini"を次のように編集します。
  (なおAPCとMMCacheは同時に使用できないので、APCの設定項目を無効にする必要があります。)
  

  443行目付近
  ; Directory in which the loadable extensions (modules) reside.
  extension_dir = "/usr/local/lib/php/extensions"
  ;extension=no-debug-non-zts-20020429/apc.so       ←APCの設定を削除
  ;apc.mmap_file_mask=/tmp/apc.XXXXXX　　　　　     ←APCの設定を削除
  
  extension="no-debug-non-zts-20020429/mmcache.so"
  mmcache.shm_size="4"
  mmcache.cache_dir="/tmp/mmcache"
  mmcache.enable="1"
  mmcache.optimizer="1"
  mmcache.check_mtime="1"
  mmcache.debug="0"
  mmcache.filter=""
  mmcache.shm_max="0"
  mmcache.shm_ttl="0"
  mmcache.shm_prune_period="0"
  mmcache.shm_only="0"
  mmcache.compress="1"
  

  apacheを再起動します。
  

  landisk:~# apachectl restart

  phpの動作確認の節で作成したphpinfo.php をブラウザからアクセスしてください。
  次のようなMMCacheの設定項目が表示されればOKです。
  phpMyAdminやXOOPSなど、PHPで書かれた重めアプリケーションを実行すると、
  速度の向上が体感できると思います。